インタビュー

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(RP)私たちは一般の社会人で、スポーツを職業としているわけではありませんが、もしVO2Maxが高ければ、仕事のみならず勉強、運動、趣味のパフォーマンスが総合的に底上げされて、人生が楽しくなりそうだと感じました。

 

(小島)私の個人的な感想でも、ランニングはじめ日常的にジョギング、トレイルランニング、スポーツサイクル、エアロビクスなどの有酸素運動に親しんでいる中高年ビジネスマンは、運動不足の若者よりもずっと体力があってタフで、疲れ知らずです。

 

(RP)ますますVO2Maxが気になってきたんですが、そもそも、VO2Maxを高めることは可能なんでしょうか。

 

(小島)はい、もちろん可能です。だから私は、ランニングと筋トレを楽しんでいるんです。

 

(RP)どうやったらVO2Maxを高めて、スポーツに加え、仕事や勉強の質を高めていけるか、教えてもらえますか。

 

(小島)私は医者でもスポーツトレーナーでもないので、あくまでランナー目線の体験と知識からしかお話できませんが、VO2Maxを高める上で決定的に重要なのは、心肺機能の向上です。すなわち、「血管を鍛えて柔軟化し、血流を安定させて血行を促進し、毛細血管の隅々まで血液を行き渡らせて酸素の運搬量を増やし、老廃物を除去するキャパシティを高めること」です。

 

RP)なるほど。しかし、そうしたことが一般的に可能なのでしょうか。

 

(小島)もちろん、一気にすべてを良くすることは不可能ですから、まずは自分の心肺機能の現状を知る必要があります。ランニングの世界では、アメリカのアスリート兼スポーツ科学者のジャック・ダニエルズという人が『ダニエルズのランニングフォーミュラ』という本を書き、その中で、ランニングとVO2Maxの関係を「VDOT」というレベルと数値で細かく分類しました。これはランニングの「業界」では革命的な偉業でした。

 

RP)私たちはジャック・ダニエルズと聞いたらウイスキーを連想してしまいます(笑)。具体的には、どこがどう革命的だったんですか。

 

(小島)私も実はウイスキーと焼酎派です。ランニングのダニエルズさんは、何千人というランナーの走力を心肺機能で分析して、例えば「1kmを5分で走れる人は、5km、10km、ハーフマラソン、フルマラソンだと何分」、「フルマラソンが4時間なら、10km、5kmは何分」という指標を統計的に整理して、誰もがある状態から目標とする結果に到達できるよう、心肺機能を基準とした表を作成して、レベルアップのための練習メニューを作れるようにしたんです。つまり、マラソンが「精神論、根性論の苦行」から「科学的に管理し、計画的に努力を設計するスポーツ」になったんです。

 

RP)そんな統計があるんですね。

 

(小島)ランニングをしない人には、街で見かけるランナーは、ただ「走っている人」、「頑張っている人」くらいのイメージしかないでしょうが、実はランニングには5段階の走り方があります。E(Easy:楽に走れるペース)、M(Marathon:長く走り続けられるペース)、T(Threshold:血中の乳酸が増加する直前の閾値ペース。長くは走れないが、頑張れば一定時間走り続けられるペース)、I(Interval:かなり速いペースだが、短距離走行の間に遅めのジョギングを挟めば、一定時間走り続けられるペース)、そしてR(Repetition:全力疾走で、短距離しか続かないペース。再び走るには1、2分の休息が必要)という5段階のレベルです。

 

RP)E、M、T、I、Rですか。「インターバル」という言葉は聞いたことがあります。陸上部の人たちがやっている練習ですね。

 

(小島)はい。実はこのT、I、RがVO2Maxの向上を目的とした走り方で、中でもインターバル走やビルドアップ走(段階的にスピードを速める走り方)は、VO2Maxの向上に最も有効な走り方だとされています。

 

RP)なぜでしょうか。